由縁記

ご挨拶 MESSAGE

 ”花のいえ”をご愛顧いただきありがとうございます。
春は桜、夏は納涼、秋は紅葉、そして冬は雪景色と四季折々に私たちを楽しませてくれるこの天下の名勝”嵐山”に公立学校共済組合嵐山保養所として花のいえが開設されたのは、昭和26年でございます。

 その後昭和45年に現在の建物(鉄筋コンクリート造ニ階建)に増改築され、昭和62年に改修工事を行い、さらに平成12年7月の増改築エ事により、大浴場「木の湯」「石の湯」が新築され、全客室への様式トイレを設置しました。
平成29年にはリフレッシュ工事を行い、空調機の更新をはじめ、館内のWi-Fi対応、全館のLED化、宿泊室への冷蔵庫・空気清浄機の完備等、お客様により快適な空間をご提供できるようになりました。
また、歴史ある景観を今後に残していくために、玄関唐門や關鳩楼の檜皮葺屋根を修繕し、庭園も散策しやすくするため補修いたしました。

 江戸時代初期の豪商「角倉了以」(1554-1614)は嵯峨の生まれで、薪炭、米などの丹波の産物を京へ運ぶため、幕府の許しを得て保津川を開削し、舟運の便を開きました。
そしてこの地に舟番所を設けましたが、その趾が花のいえの敷地で約5,000㎡(約1,500坪) ございます。
その当時のものといわれる離れ座敷「關鳩楼」は「ごてんの間」として、今も皆様にご利用いただいており、狩野派の杉戸絵や書院に展示の雪見灯籠(銘 天正元年 与次郎)、そして枯山水の中庭園(伝 小堀 遠州作)や、織部好みの切支丹灯籠(中庭園と茶室前庭にございます)等からも当時の様子がうかがえることと存じます。
こうした京都を象徴する歴史や文化の伝承が評価され、令和2年11月に、「花のいえ 關鳩楼」が“京都を彩る建物や庭園”に選定されました。

 ”花のいえ”が皆様の心やすまる施設として、いつまでも可愛がっていただけるよう、『いえに帰ったような京のおもてなし』をコンセプトに、職員一同たゆまぬ努力をしてまいる所存でございますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 ご利用の際は、歴史とロマンあふれる嵯峨野でのひとときを、心ゆくまでお楽しみ下さいませ。

支配人 敬白
花のいえ 由縁記

第一章

花のいえ 由縁記

第二章

花のいえ 由縁記

第三章